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季節の変化に弱いのです

  • 2018年9月26日

こんにちは。

不安定なお天気が続く東京です。
本日もこれから本降りの雨だそうです。

私事ですが、この季節の変わり目は呼吸器がとても不安定になります。
先週あたりから、のどもイガイガ、コホコホと…。

さて、そこで本日のテーマは風邪。

風邪のときに医療機関にかかると、以前は必ずと言って良いほど抗生物質が処方されました。
最近では、抗生物質を適切に使おうということになり、そうした処方は減ってきていると思います。

でも、今までは「咳止めなどの薬+抗生物質」が定番だったのに、突然「なし」といわれると不安になったりするものです。

ところが!実は抗生物質はほとんどの風邪には効果が無いって知っていましたか?

風邪はほとんどがウイルス感染(ウイルスが鼻やのどに感染して起こる)です。

ウイルスと細菌は、どちらも微生物ではあるものの全く違うものです。

どう違うか?

ウイルスは、細胞が無く、単独では増殖できないので人の細胞の中に侵入し増殖します。
一方、細菌は細胞がある(単細胞生物)ので、栄養があれば自分で増えます。

抗生物質が効くのは「細菌」の方です。

では、なぜ抗生物質が当たり前のように処方されていたのか?

それは、肺炎や咽頭炎の症状はウイルスの場合と細菌の場合が考えられるからです。
どっちかわからない→じゃあ、とりあえず抗生物質を出しておこう…という。

世の中には抗ウイルス剤というお薬もありますが、抗ウイルス剤は何のウイルスかわからないと処方できず、かつ種類も少ないのです。

さて、そこで問題が起きました。

まず一つ目。抗生物質は下痢をしやすいということ。

ご経験のある方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、ある抗生物質を飲んだらお腹が悲惨なことになりまして、
再度医療機関に駆け込むことになりました。

そして二つ目。こちらの方が重大。「耐性」という問題です。

処方された抗生物質は、全て飲みきる事で細菌を退治できます。
でも、下痢がひどいとか、体調が良くなってきたからなどの自己判断で止めてしまう事はありませんか?
そこで生き残った細菌は、抗生物質に対して強くなります。
つまり、「抗生物質の効かない強い細菌(耐性菌)」の登場です。

こうした事態を避けるためには、しょっちゅう抗生物質を使うのではなく、
「ここぞ!」という時に使うということが大事となったのです。

なので、このところ医療機関に行っても抗生物質を出してもらえないと思っていた方。問題ありません。
数日経っても咳などが続いた場合には、細菌検査を行った上で適切な抗生物質が投与されるはずですので、心配なことがあれば再度医療機関に行き相談してみてください。

【参考】
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/tebiki_1.pdf
抗微生物薬適正使用の手引き 第一版 ダイジェスト版