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訪問看護で使う保険

  • 2018年11月26日

朝晩の冷え込みがだいぶ身に染みるようになり、ようやく冬かなという空気を感じて出勤する今日この頃。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

本日は、訪問看護で使用する保険について少しまとめてみます。

訪問看護は年齢や状態等により「医療保険」を使う場合と「介護保険」を使う場合があります。(全額公費の場合もありますが、本日は保険メインで。)

どのような時にどちらの保険を使うのか

  1. 0歳~39歳
    介護保険の対象ではありませんので「医療保険」を使います。
  2. 40歳以上
    介護保険証をお持ちの場合には、原則「介護保険」優先です。

介護保険優先の方が「医療保険」を使う場合というのは…

A・介護保険を利用していない、または介護保険の対象外
B・別表7の疾病等に該当する
C・特別訪問看護指示の期間

の3点です。

A 介護保険料を払っていても要介護認定を受けていない場合、また40歳~64歳で介護保険の対象の方でない場合は医療保険になります。
B 通称「別表7」と言われる疾病等に該当する時は医療保険での訪問看護になります。

・特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等の者
末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群、頸髄損傷又は人工呼吸器を使用している状態の者

C 状態が悪く週4日以上訪問看護が入る必要がある場合、医師が「特別訪問看護指示書」を発行すると、その期間は医療保険での訪問看護になります。(通常時に介護保険での訪問看護を受けていた方でも、特別指示の期間だけは使用する保険が医療保険に変わりますので、医療保険証の提示をお願いしています。)

別表7についてもう少し

私たちは別表7について「末期のがんや難病の方など」と説明することが多いです。
そうすると…
「難病=医療保険での訪問看護」というイメージになりますね。

そこで、訪問看護師の中でも特定医療費受給者証などをお持ちであれば「医療保険でお伺いします!」と判断してしまうことがしばしばあります。

ところが!

難病医療費助成制度の対象は現在約330疾病あり、受給者証があれば全員医療保険の看護というわけではないのです。

難病でも医療保険適用となるのは別表7の疾病のみですのでご注意ください。

+α 別表8って何ですか?

訪問看護ステーションに従事されている方や在宅医療に関わる方であれば、別表7の他に別表8もよく見かけます。

別表8は疾病ではなく主に状態を指します。

・特掲診療料の施設基準等別表第8に掲げる者
在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者、在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者、人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者、真皮を越える褥瘡の状態にある者又は在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

これらの状態にある方は、特別な管理や必要に応じて長時間・複数回の訪問など
こまめな看護が評価(つまり点数が加算等で算定可能)されるということになります。

以上、訪問看護は医療保険と介護保険のどちらを使うのか?というだけでも結構難しいです。

「ケアマネジャーが訪問看護を紹介してくれたのに介護保険は使わないと言われた」
「看護師が処置をするのに、なんで介護保険なのか?」
「今までは介護保険を確認していたのに、急に医療保険の確認もしたいと言われた」

保険が異なると、算定する項目も違うので費用も変わります。
疑問に思う事がありましたら、お気軽にお尋ねください。